昨年に引き続き、スペシャルティコーヒー生産地の中でも、最も重要な国のひとつであるイエメンより、歴史的なスペシャルロットが届きました。あの衝撃の香味が忘れられないとのお声も多く、まだ皆さまの記憶に新しいのではないでしょうか。
今回はハイマ・エリアの中でも、熟度管理を徹底し、『ハイマ・ダヒリヤ地区』『ハイマ・ハリジヤ地区』と地区単位まで指定された厳選ロットです。
エチオピアに自生していた野生種の原木を、アラビア人によってイエメンに植えられたのが、コーヒー栽培の起源です。
伝統的な製法、品種が保持されている特殊な産地のため、決して他の産地では体験できない、他のあらゆるコーヒーの香味にも共通することのない唯一無二の個性的なフレーバーを備えています。さらに欠点豆の一切ない今回のマイクロロットは、まさに奇跡のコーヒーといえます。
バニラやシナモンのアロマ、ドライいちじくやプルーンを思わせる甘味、クリーミーで心地良い粘性に加え、口の中で溶けていくミルクチョコレートのような滑らかな質感もあります。ジンジャー等のスパイシーな風味も備え、発酵臭もなく非常にクリーンです。
また、フルボディで芳醇なウイスキーやコニャックのような熟成度が、温度変化とともにより強調され、いつまでも余韻として続いていきます。
これまでに味わったことのない個性溢れる複雑な香味で、その豊富なキャラクターと上品な口当たりに必ずや魅了されることでしょう。
一般的に流通している、未熟や発酵等の欠点豆が多く混入されている「モカマタリ」とは香味の質が根本的に異なり、多様性のある独特のフレーバーを備えつつ、非常にフレッシュでクリーンな味わいのこのコーヒーは、一度飲んだら一生忘れることがないと言えるほど、強烈な印象を与えてくれる珠玉の逸品です。
かつて輸出で利用されていた港の名称から、「モカ」などという非常に曖昧な表記で流通されることの多いイエメンとエチオピア両国のコーヒーですが、この機会にぜひワイニーでジューシーな
エチオピア・ナチュラルと飲み比べて、異なる二種類の複雑かつ贅沢な香味をご堪能くださいませ。
生産者 : ハイマ・ダヒリヤ地区とハイマ・ハリジヤ地区の生産者
産地 : サナア県 / ハイマ・ダヒリヤ地区、ハイマ・ハリジヤ地区
標高 : 2,000m〜2,300m
品種 : イエメニア
(※)
精製 : ナチュラル
※イエメニア品種
現在世界に流通しているアラビカ種のコーヒーのほとんどは、イエメンからインド、インドネシアへと持ち込まれ、その後ヨーロッパ経由で世界に広まったティピカ種と、イエメンからレユニオン島経由で東アフリカへ、その後中南米へと伝わったブルボン系品種のいずれかから派生したものです。2020年8月、当該輸出業者が共同研究の結果として「ティピカ系、ブルボン系いずれにも属さず、イエメン国内で独自に発展を遂げた固有の品種グループがあることを発見し、それをイエメニアと名付けた」と発表しました。